もっとうまく話したい!雑談はなんとかなるけど、いざ本題に入るとどうしてもセールストークのようになりがち。あるいは、人見知りで雑談もなかなかスムーズにできない……。
今回はそんな悩みに答えて、シーン別にトーク力を鍛えるコツと、実際に使える方法12選をご紹介します。すべて執筆時点で無料のものを紹介していますので、ぜひ気になった物から気軽にチャレンジしてみてください。
目次
「話し上手」と「聞き上手」、トーク力には2種類ある
トーク力には、大きく分けて「話し上手」と「聞き上手」の2種類の要素が含まれます。しかしトーク力をもっと鍛えたいと考える人の中には、「聞くだけならなんとかなるんだけど、いざ話すとなるとなかなかうまく行かない……」とお悩みの方が多いのではないでしょうか。
実はこれが最初の大きな勘違いで、聞き上手でない人は話し上手になることもできません。なぜなら、うまく話が聞けない人というのは、相手が望んでいる話をすることもできないからです。
トーク力というのは、「自分の話したいことを気持ちよく話す力」のことではなく、「自分が伝えたい内容を相手が望む形で話す力」なんです。これができるようになれば、自己紹介やスピーチで好印象を与えられるだけでなく、営業や接客といったサービス業なら好成績にも直結するでしょう。
もちろんビジネス以外で、好きな人や初対面の人ともっと気軽に話したいという人におすすめの鍛え方も紹介しますよ。
トーク力を鍛える方法
それでは早速、トーク力を鍛える方法について解説していきます。
トーク力を鍛える方法は4種類
トーク力を鍛える方法には、大きく分けて4種類あります。どれかひとつを選ぶ必要もありませんので、ぜひ取り組めそうなものからチャレンジしてみてください。
バイト:トーク力を鍛えながらお金も稼げる
トーク力を鍛えながらお金も稼げるうえに、一度始めてしまえばなかば強引にやらざるを得ない、というコスパ最高の方法がバイトです。
接客系のバイトならどれを選んでもそれなりのトーク力が身につきますし、高校生や大学生など年齢を問わず選びやすいのも嬉しいポイント。
なお、イベントスタッフなどの企画系のバイトは一見トーク力も鍛えられるように思うかもしれませんが、単発のアルバイトでトーク力を鍛えるのは至難です。むしろもともとトーク力を持っている人たちが活躍する仕事なので、これから鍛えていきたいという人はちょっと避けた方がいいかもしれません。
逆に、ある程度鍛えてみたけれど今の自分はどれくらい話せるのか、と客観的に確認する意味で行くのならうってつけではないでしょうか。
本:読書が得意な勉強好きにはうってつけ
集中してじっくり勉強したいという方には、やはり本がおすすめです。特にビジネス用途などで、きちんとしたプレゼン力、スピーチ力を鍛えたいと言った場合にはどうしてもバイトなどの経験だけでは心もとないですよね。
近年ビジネスシーンで人気が高いのは、「なるべく短く話すコツ」を紹介するタイプのものです。もちろんその反対に「〇分以上話を持たせる方法」といった雑談力を鍛えるタイプのものもありますので、目的に合ったものを探してみてください。
ラジオ:通勤・通学時間のながら学習に最適
耳だけで楽しめるので、通勤や通学といったスキマ時間のながら学習に最適なラジオ。定番中の定番、オールナイトニッポンなどの王道番組のほか、radikoやPodcastなど、アプリで楽しめるラジオも多く配信されているので、好みの番組を見つけやすいのが嬉しいですね。
また最近では、ラジオの配信環境も整っているので、聞くばかりでなく発信する側となってトーク力を鍛えるというのもひとつの手です。
アプリ:雑談用などの話題提供系がメイン
トーク力を鍛えるアプリ、と言えるものは、残念ながら2019年12月現在はありません。以前は数は少ないながらもトーク力を鍛えることを目的としたアプリもあったのですが、更新を停止しているようです。
直接的にトーク力を鍛えることはできませんが、その代わりアプリは、暇つぶしなどとしての利用を想定した話題提供系のものが多いのが特徴。困ったときに頼れるだけでなく、普段から目を通しておくだけでいざというときの会話を持たせられるようになるはずです。
目的・シーンに合った鍛え方をしよう
一口にトーク力と言っても、どんなシーンを想定しているかによって求められる能力は変わってきます。あなたの目的に合った鍛え方
自己紹介は「パターンを分けて練習」+「相手の名前を呼ぶ」がコツ
自己紹介がなかなかうまくいかないと悩んでいる方は、まずはとにかく練習あるのみです。自分一人の時にうまくできないものが、いざ本番になってうまくいくはずがありません。目安として、10~30秒程度のどこでも使えるバージョンと、2~3分程度のちょっと詳細に話すフォーマルなシーンでも使えるバージョンの2つがあるといいですね。
2つの自己紹介をひたすらインプットしたらそれを本番で話すのですが、自己紹介するときは「聞く人の名前」をきちんと呼ぶ意識が大切です。
自己紹介は、自分を発表する場ではなく、「あなたにとって私は何ができるか」を発表する場なので、「○○をやってきました。だからあなたにこんなことを提供できます」という感じで考えるとうまくいきます。
スピーチ・プレゼンは「構成を固める」+「余白を作っておく」がコツ
結婚式などのスピーチを任されたとき、1から10までがちがちに構成を組んでしまうのはNGです。スピーチは、当日の会場の空気によってもかなり印象が左右されるものなので、あまり作り込んでしまうと対応できなくなってしまいます。
そこでコツとなるのが、「大枠の構成だけは固めておいて、そこに辿り着く道筋は固めすぎない」ということ。例えば結婚式のスピーチなら、祝福の挨拶・新郎新婦との関係・あなたが知っているエピソード・二人へのメッセージ、といった基本構成はぶらさずに、あまり文章を決めずに何度か練習してみてください。
一言一句覚えようとすると、忘れた時にかえってパニックになってしまったりもしますので、くれぐれも作り込まないよう注意してくださいね。
雑談は「相手に興味を持つ」が鉄則。人見知り改善にも効く
雑談のコツはたったひとつ、相手に興味を持つことです。これができなければ、誰だって円滑に雑談んすることはできません。
雑談が苦手な人は、トーク力が高い人は誰とでも雑談することができる、と思っているかもしれませんが、これはちょっと違います。実際には、「自分が興味を持った相手となら雑談できる」んです。さすがに興味を持てない人と話をすることはできません。
それでも誰とでも雑談できている人はいます。その人たちは何をしているかというと、誰にでも興味を持って接しているんです。興味を持てば、自然とその人の話を聞きたくなります。ピンと来ないという人は、誰となら雑談ができるかをまずは考えてみるといいかもしれません。
営業トークこそ友達と雑談するように話すことが大切
営業になって、いざお客さんを前にするとついつい緊張して、早口で話してしまいがちです。私も保険の営業をやっていた経験があるので分かりますが、あの状況でうまく話そうとするほうが無理があるんですよね。
大事なことは、「いい商品を知人に勧める」感覚で営業するということ。「この商品を売ろう」と思って話すのではなく、「自分も使ってみたおすすめ商品を勧める」つもりで話すことで、より自然に、落ち着いて話すことができるようになります。
営業がうまい人ほど、ちょっとおせっかいなくらい親切だったりするんです。
「この人みたいになりたい」という理想像を持つ
最後のトーク力を鍛える方法は、「この人のようになりたい」という理想像をはっきりと掲げることです。身近な人でもいいですし、芸人さんでもいいでしょう。身近な人ならできるだけその人のそばで話を聞いて見てください。有名な方なら、それこそラジオなどでひたすら聞くことも可能かもしれませんね。
目標が明確になると何をすればいいかが分かりやすくなる、というメリットもあるのですが、もうひとつ、この人みたいになりたいという欲求が一番頑張りを加速させるというのが大きな理由です。
特にいないという人は、鍛え始める前に目標を見つけることから始めてみるのもいいと思いますよ。
トーク力を鍛えるのにおすすめのバイト3選
それではここからは、私が実際に体験したものも含めて、トーク力を鍛えるのにおすすめのバイト・本・ラジオ・アプリ、の順でご紹介していきます。
居酒屋:人見知りなら個人経営店を探したいが、難易度は高め
初対面の人とたくさん話したいならチェーン店がおすすめですが、特定の人とフリートークをして話術を向上させたいという人には、断然個人経営のお店がおすすめです。ただし、あまりに常連さんしか来ないようなお店だと、トーク力を鍛えるまでもなくお客さんと仲良くなってしまって、あまり鍛えているという実感も湧かないかもしれません。
なお、そもそも人見知りの人が働きやすい個人経営の居酒屋を見つけられるのか?という点を考えると、難易度はちょっと高めだと思います。もし気になるお店があったら、開店前の時間などにのぞいて雰囲気を確かめておくのもおすすめです。
コンビニ夜勤:独特の雰囲気。思いがけず深い話ができることも
コンビニの深夜勤務は、ちょっと他の仕事とは毛色が違いました。コンビニバイトは早朝から深夜まで一通りのシフトを経験したことがありますが、深夜に来るお客さんは明らかに客層が異なります。
終電を過ぎているので近所から来られる方がメインで、ほぼ常連さんしか来ない店舗が多いでしょう。中にはレジで雑談し始める人もいたりして、思いがけずタメになる深い話が聞けたりもしました。
ただし、地域によっては本当にちょっと厄介なお客さんが来たりすることもあるので、働き始める前に実際に働く予定の時間にお店へ行って、イメージをつかんでおくといいかもしれません。
喫茶店・ファミレス:落ち着いて話しやすく、最もおすすめなバイト
喫茶店やファミレスが、個人的にはもっとも人見知りにおすすめしたいバイトです。特に、どちらかというと喫茶店。しかもなるべくおしゃれすぎないほうがいいです。そのぐらいの喫茶店だと、客層が結構高齢の方が多くて、なんなら中で働いている人も年齢層が高めで、雰囲気が全体的に落ち着いているんですよね。
それでいてお客さんがわりと気軽に話しかけてくれるのが喫茶店のよいところで、静かすぎずうるさすぎず、すごくゆったりと話をすることができます。気になる方は、ぜひ近くにないか探してみてはいかがでしょう。
トーク力を鍛えるのにおすすめの本3選
続いて、トーク力を鍛えるのにおすすめの本を3選ご紹介します。なおこの記事を執筆している2019年12月現在、Kindle Unlimitedにて無料で読める本から選びました。
超一流の雑談力
『なるほどですね、そうですね、は「話を聞いていない人」の反応』『「なぜですか?」は愚問』など、人によっては耳が痛くなるような指摘がずばずばと書かれた本著。これを一冊読みこめば、デキる営業マンになれそうだ、確かに思わせてくれます。
テクニックからトレーニングまで網羅されているので、中途半端にいろいろなものに手を出さずに、これに書かれていることをやり抜くつもりで取り組んでみるとちょうどよいかもしれません。
コーチングのプロが教える「また話したい」と思ってもらえる会話術
パーソナルコーチングを提供するコーチングのプロが、「いい人会話」をするコツを紹介してくれます。相手に気持ちよく話してもらうコツ+シーン別「いい人会話例」 が収録されているのですが、コーチングのプロだけあって説得力があります。
読んだ感想としては、身近な人との会話に活かすのももちろんよいのですが、ビジネスシーンで上司部下といった関係性でこれを意識できると、より生産性があがるのではないかと思いました。
マンガでわかる!誰とでも15分以上 会話がとぎれない!話し方2
元女子アナウンサーのカフェ店主が、新人営業を始めとするビジネスマンたちに会話術を伝授するお話。マンガなので頭に入りやすい、という理由で選んだ部分が大きいですが、この2巻は具体的な定型フレーズを多数収録しているので、さらっと読めて参考にしやすい一冊です。
ちなみに、プロローグでは1巻のおさらいからスタートしてくれますし、マンガ自体は2巻から読み始めた人でも分かるように作られているので、ご安心ください。
トーク力を鍛えるのにおすすめのラジオ3選
続いて、ラジオ番組の紹介ではなく、ラジオを気軽に聞けるアプリやサービスのご紹介です。
radiko
PCやスマホで手軽にラジオを聞けるサービスです。もともとラジオユーザーの間では定番のサービスとして定着していましたが、近年はスマートスピーカーの普及に伴ってさらに聞く人が増えているのだとか。タイムフリー機能を使えば、過去1週間以内に放送された番組を聞くこともできます。
Podcast
こちらもボイスメディアをよく聞く人にとっては定番の、Appleが提供するサービスです。印象としては、英語学習者などで利用している人が多いかもしれませんが、話し方のコツやカウンセリング・コーチングといったトークスキルに関する話も探してみたらたくさん見つかりました。一度も見たことがないという方は、ぜひチェックしてみてください。
https://apps.apple.com/jp/app/apple-podcasts/id525463029
radiotalk・SPOON
radiotalkとSPOONは、「ラジオを発信したい」人におすすめのサービスです。どちらも無料で登録できて、アプリさえあれば配信が可能。トーク力を鍛えたいなら、聞くだけでなくいっそ話しちゃおうというわけです。
ちなみにこれらに近いものにVoicyというサービスもありますが、こちらはすでにフォロワーを獲得している一定以上のインフルエンサーに配信者を限定しているため、トーク力を鍛えたいなどの目的で選ぶには不向きです。 もちろん純粋な音声メディアとしてはおすすめですよ。
トーク力を鍛えるのにおすすめのアプリ3選
最後に、トーク力を鍛えるのにおすすめ……というより、トークに備えるのにおすすめのアプリの紹介です。
ToPick:マイリスト登録できるのが嬉しい。事前に準備しておこう
用意されたカテゴリーやシーンから話題を選ぶ形式になっていて、気に入った話題があればマイリスト登録することができるのが便利なところ。用意されている話題は定番なものが多く、「これひとつあれば十分」と言えそうなレベルです。
ざっと確認して、「この話題なら話せそう」という話題を事前に見つけてマイリストに登録しておけば、とっさの雑談もきっと乗り切れるはずです。
話題チップス:シャッフル表示。話題のチョイスが絶妙
ビジネスから話題をシャッフルしてみたところ、「送電網の容量不足問題。再生エネ、新規参入が難しい。どうしたら良いですか?」という話題が出てきました。どうしたら良いんでしょうね……?
一風変わった話題ふくめ、シャッフルで表示されるので選ぶのすらめんどくさいときには重宝するかもしれません。
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.g_llc.topicchips&hl=ja
会話ネタアプリ「モテトーク」:アドバイスがもう少し機能すれば結構使えたかも
他の話題提供アプリとはちょっと違い、話題に対してキャラクターが簡単な受け答えをしていきます。その答え自体が参考になるわけではなく、どちらかというとNG例として機能している感じ。時間が経つと右上からお助けキャラがアドバイスをくれるのですが、この内容が表示されている話題と対応しておらず、とてももったいない印象でした。
アドバイスはまあまあ参考になるものなのですが、他に参考になる要素はこれといってなく、そこだけ切り取るならネットの記事を読んだ方がよほどためになりそうです……。
まとめ
以上、トーク力を鍛えるシーン別のコツと、実際に鍛える方法12選の紹介でした。
どれもやったことが無かったという方は、本を1冊読まなくても、まずは話題提供アプリで事前に話題を用意するようにするだけでもずいぶん雑談力が変わると思います。ひとつひとつ試してみて、あなたに合った鍛え方を見つけてくださいね。
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