仕事をやらなきゃいけないのは分かっているけど、どうしてもモチベーションが上がらない……。周りで頑張っている人がどうやってモチベーションを維持しているのか知りたい。
今回は、そんな悩みにお答えします。……が、紹介するのは「モチベーションを上げる方法」でも「モチベーションを維持する方法」でもなく、「モチベーションに頼らない働き方」です。
実は、仕事ができる人ほどモチベーションに頼らない働き方をしています。達成したい仕事や目標があるけどなかなか行動に移せないという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
モチベーションとは

そもそもモチベーションとは何かというと、物事を行うための動機や意欲になるもののことで、「やる気」「意欲」「動機」「目的意識」といった言葉と同義として用いられます。
また行動心理学などにおいては、「購買行動に繋げるために消費者に与える刺激」のこともモチベーションと言ったりします。
一般的にイメージするモチベーションとは少し違うかもしれませんが、「行動する動機となるもの」という意味では同じというわけですね。
また、マズローの5段階欲求説に代表されるように、一口にモチベーションと言っても「低次」「高次」といった段階の違いがあったり、周りから与えられるか自分のなかで湧きあがるかによって「外発的動機づけ」「内発的動機づけ」といった違いがあるなど、さまざまなモチベーションの考え方があります。
モチベーションに頼らない働き方
ここからは、モチベーションに頼らない働き方を、マインドセット・仕組みづくり・継続する方法、の3ブロックに分けて解説していきます。
- モチベーションに頼らないマインドの作り方
- モチベーションに頼らない仕組みの作り方
- モチベーションに頼らない仕組みを継続する方法
順に見ていきましょう。
モチベーションに頼らないマインドの作り方

まずは、モチベーションに頼らないマインドを作るところからです。
モチベーションは与えられるものではなく生み出すものである
はじめに、「モチベーションは外部から与えられるものではない」ということをはっきりしておきましょう。厳密に言うなら、外部から与えられるモチベーションは当てにならない、ということです。
冒頭でも説明した通り、モチベーションとは行動の動機であり、意欲であり、やる気のこと。
しかし、行動している人ほど外部から与えられるモチベーションに頼っていないというのが実際のところです。
たとえば行動力の鬼ともいえる武井壮さんは、Twitterでこんな風に言っています。
「モチベーションの高め方」「モチベーションを維持する方法」などを発信している武井壮さんですが、その行動量や発信内容を見ていると気づくのは「モチベーションの捉え方が普通の人とは少し違う」ということ。
武井壮さんは、「筋トレが好きではないけど、成長する自分の姿を想像して頑張っている」のだそうです。
武井壮さんの言う「モチベーション」は、与えられるものではなく生み出すものなんですね。
これがいわゆる内発的動機付けというもので、自発的にモチベーションを高めることができれば、そもそも得られる報酬に左右されることもありません。
モチベーションなんてそもそも必要ない
与えられるモチベーションよりも、生み出すモチベーションのほうが強い、というのが前項の話でしたが、実は「モチベーションなんてそもそも必要ない」と考えられるならそのほうが話は早かったりします。
どういうことかというと、すでに習慣化した行動を取ることに対して、人はモチベーションを必要としません。
たとえば歯磨きをするのに、「どうしてもやる気が起きなくて……」と悩むことはあまりないですよね。でも、歯磨きが習慣化する前の子どもに歯磨きをしてもらうためには、甘い歯磨き粉を使ったりご褒美をあげたりする必要があります。
そのほかにも、シャワーを浴びたり、テレビを見たり、スマホをいじったり。すべてモチベーションを必要とせずできる行動ではないでしょうか。
一度習慣になった行動は、やめることにモチベーションが必要になります。禁煙なんてわかりやすいですよね。
だから大事なことは「いい習慣を増やして悪い習慣を減らすこと」です。
これさえできれば、そもそもモチベーションなんて必要なくなります。
モチベーションに頼らない仕組みの作り方

続いて、モチベーションに頼らない仕組みの作り方です。
習慣化のカギは毎日やること
前述の通り、モチベーションに頼らない仕組みづくりには習慣化が必須です。
そして、行動を習慣化するカギは毎日やること。
たとえば私は、ブログ更新を習慣化するために毎日1記事更新しています。そうすると、ブログを1記事更新する前提のスケジュールを組むようになるんですね。
これを2日に1本とか、週に1本とかにしてしまうと、「今日はやるかやらないか」と悩む余地が生まれてしまいます。
「今日やっておけば明日自由時間が増える。でも明日に回して今日はゲームをやりたい……」
この思考の迷いが、習慣化を阻む最大の敵。
習慣を作るときは「悩む余地をなくす」というのが非常に重要です。
休日を作らない。波を作らない。惰性で動き続ける
休日を作らない、というのも悩む余地をなくすための方法のひとつです。
稼働する日と休む日を分けてしまうと、いちいちエンジンをかけるのにモチベーションが必要になってしまいます。
働き続ける、と言うと大変そうに思えるかもしれませんが、実は1回休んでまた動き出すよりも、惰性で動き続けるほうが楽なんです。
メリハリをなくして淡々とやること。
ここで一気に取り返す、みたいな認識を捨てること。
常にフラットな予定を立てましょう。
自分に期待しない。量・回数は最小限から始める
仕組みを作るときには、徹底的に自分を疑うことも重要です。
自分の意志力も、がんばりも、それこそモチベーションも、すべてがゼロスタートの前提で考えていきます。
具体的にどうするかというと、たとえば筋トレを始めたいなら最初は1回から始める。
たったそれだけ?と思われるかもしれませんが、習慣化してしまえば回数なんていくらでも調整が利くので、はじめは最小限から始めるのがコツです。
筋トレなら、回数もフォームも負荷のかけ方も、あらゆる効率を追求するのは二の次。とにかく習慣にできるかどうか、どうすれば失敗しないか、そのことだけに集中しましょう。
ルーチン化を意識しつつ完璧にはやらない
ひとつひとつの行動を完全にルーチン化すると、「Aの次はB」と行動が自動的に決まるので、究極、一切頭を使わずに行動から行動へと繋げていくことができます。
ただこれに関しては、ルーチン化を意識することは大切だけど、それにとらわれ過ぎてもいけません。
複雑すぎるルーチンはそれを遂行するのに頭を使いますし、逆に簡素すぎるルーチンはイレギュラーへの対応力がなかったりします。
毎日決まった時間にアラームをセットして、アラームが鳴ったら腹筋を1回してから音を止める。
たとえばこれくらいなら、汎用性の高いルーチンとして機能するのではないでしょうか。
そうして続けるなかで、「腹筋だとできる場所が限られるのでスクワットにしよう」とか「2回に増やそう」とか「アラームを止めてからトレーニングでも問題ないな」とか、微調整をしていけばいいんです。
とにかく大切なことは、どうやって頑張るかではなく、頑張らなくてもできるようにすること。
「頑張らないとできないルーチンワーク」では意味がないので、やってみてから微調整、の意識を心がけましょう。
モチベーションに頼らない仕組みを継続する方法

続いて、作った仕組みをいかに継続していくかについてです。
最優先は健康維持
習慣が継続できなくなる最大の要因は、体調不良です。
仕事や目標達成のための習慣とあわせて、それらが志半ばで終わってしまわないよう健康維持の習慣もセットで組み立てておきましょう。
健康維持の習慣ももちろん、毎日同じ量を休みなくこなすことが大切。
加えて、30分作業したら5分休憩する、といったメリハリの付け方も効果的です。
30%でできることをやる
30%というのはわたし自身の体感なので、これといった根拠があるわけではありません。
ただ、「いつもの半分」よりも、「いつもの半分もやってない」くらいの物足りなさのほうが、毎日無理なく続けることができるなぁとブログを毎日更新していて思います。
30%でできることというのは、たとえば寝不足だったり、熱が出ていたり、あるいは落ち込んでいたりして、万全の体調ではないけどこれくらいなら何とか会社にいけるかも……くらいの状態で取り組めることというイメージ。
どんなに健康状態に気を使っていてもいつか体調を崩すので、崩したときに備えて余裕をもっておくことが大切です。
結果を評価しない。できてもできなくてもいい
習慣にしようとして何かを継続し始めると、ついついその行動の成果を評価してしまいます。
これは、自分に厳しく向上心がある人ほどやってしまいがち。
どれくらいできたか?をきちんと認識することは確かに大切ですが、しかし「できたからよし、できなかったからダメ」と評価するのはNGです。
できる日もあればできない日もある。できた日はどうしてできたのか。できなかった日はどうしてできなかったのか。
それを知るために継続するんです。
「それしかできない」環境を作る
よく「集中できる環境を作る」と言いますが、どちらかというと大切なのは「集中を阻むものを取り除く」こと。
集中できる環境よりも、その行動しかできない環境、やらずにはいられない環境を作ることが理想です。
ノマドワーカーが、自宅ではなくカフェやコワーキングスペースで仕事するのもこれが理由ですね。
この辺りは、アフォーダンス理論なども考えながらセッティングすると、より継続しやすい環境を作れます。
通知はすべてオフ。メールチェックは1日1回まで
やるべきことをやるために、スマホやパソコンの通知は原則すべてオフ、メールのチェックも1日1回まで、といったルールをはじめにしっかり決めておきましょう。
カリフォルニア大学アーバイン校の研究によれば、頻繁にメールチェックする人はしない人に比べて心拍数が高く、メールチェックの習慣をやめたところ元に戻ったそうです。
通知やメールに限らず、常駐しているブラウザタブやアプリなどがあれば、一度すべて閉じることをおすすめします。
メールの返信が1日遅れただけで致命的な損失に繋がるような案件は、そうそうありません。
まとめ
以上、モチベーションに頼らない働き方について解説しました。
- 行動を起こすためにそもそもモチベーションは必要ない
- 習慣化するためには毎日・休みなく・無理のない量をこなすことが大切
- 習慣を途切れさせないために健康維持は最優先に
- 「それしかやることがない」環境を作る
ざっくりまとめると、上記がモチベーションに頼らない働き方の中心となる要素です。まずは腹筋1回、読書1分など、無理のない目標から始めてみてはいかがでしょうか。
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