心理的な問題や、人間関係における悩み解決に役立つ心理カウンセリング。その中でも今回は、夫婦でカウンセリングを受ける夫婦カウンセリングについて、受けることによって得られるメリットと、実際に夫婦カウンセリングを受けるまでに必要となる具体的な手順について解説します。
なんとなく夫婦仲が上手くいっていない、という漠然とした不安から、セックスレスや不倫の疑いといった切実な悩みまで、夫婦間で何かしら問題を抱えているという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
夫婦カウンセリングとは|解決できる悩みの例も
夫婦カウンセリングとは、文字通り夫婦でカウンセリングを受けられるサービスのことです。
提供しているカウンセリングルームによっても異なりますが、夫婦同時にカウンセリングを受けることもあれば、別々にカウンセラーやセラピストと1対1でカウンセリングする場合もあります。
夫婦カウンセリングで解決できる主な悩みとしては、次のようなものが挙げられます。
- 夫婦間の不仲を解決して円満な家庭を築きたい
- 子育てにおける考え方・教育方針が合わない
- 相手が何を考えているのか分からない
- 喧嘩が絶えない
- 浮気に対する不安・不信感
- 不妊治療するうえでの不安・ストレス
反対に、次のようなケースは夫婦カウンセリングで解決を目指すのは難しいでしょう。
- 関係修復よりも離婚を望んでいる場合
- どちらかが、問題を問題と認識していない場合
- 問題の解決を望んでいない場合
夫婦カウンセリングを受ける2つのメリット
夫婦カウンセリングを受けるメリットは大きく2つあり、心という目に見えない問題に対して専門家の意見を聞ける点と、当事者だけでは解決が難しい問題に対してアドバイスを受けることができる点です。
原因となった価値観のずれ・些細なきっかけに気づくことができる
話し合いをするとすぐにケンカになってしまい、ろくに話し合うこともできないという状態や、セックスレスどころか一切口も聞いていないといった状態において、そうなってしまった原因は「どちらが悪い」ということではなかったりします。
元をたどれば、生まれ育った環境の違いからくる価値観のずれであったり、ほんのささいなきっかけが発端の誤解であったりするものが、そうしたボタンの掛け違いが重なると、修復の難しい不仲へ繋がってしまうのです。
夫婦カウンセリングでは、こうした「ずれた原因」に目を向けることで、根本的な解決を目指すことができます。
共依存など、当事者では解決しづらい問題にアドバイスをもらえる
お互いがお互いなしでは生きていけないような共依存の状態になってしまっていると、なかなか当事者だけで問題を解決するのは難しいものです。
かといって、そうした状況で介入を頼める第三者の知り合いがそうそう都合よくいる人ばかりではありません。そもそも、そんなことが頼める第三者が身近にいれば、共依存にはなりにくいでしょう。
そんなとき、安心して介入を依頼できるのが夫婦カウンセリングを提供するカウンセラーやセラピストです。
なんとなく原因はわかっているのだけど、自分たちではどうもうまくいかない、という場合にぜひ頼ってみるといいでしょう。
夫婦カウンセリングを受けるまでの手順
続いて、夫婦カウンセリングを実際に受けるまでの手順を説明します。
①夫婦で認識をすり合わせておく
いざカウンセリングを受けようと思うと、いきなりカウンセラーやカウンセリングルーム探しから始めてしまいがちですが、その前にやることがいくつかあります。
夫婦カウンセリングの場合、受けることを決めたならまずすることは「夫婦で認識のすり合わせ」です。
すり合わせることは、
①夫婦でカウンセリングを受けることに対する共通認識
②夫婦で解決したい課題があることに対する共通認識
の2つです。なお、課題の内容そのものに関しては多少認識のずれがあっても問題ありません。
それができれば苦労しない、という意見もあると思いますが、これができなければカウンセリングを成功させることは難しいでしょう。
カウンセリングは、あくまでも依頼者の話を聞いて問題を整理することが主な仕事であり、これを解決していけるかどうかは本人たちにかかっています。

依頼者とカウンセラーの関係は、筋トレをする人とトレーナーの関係に似ています。トレーニング効率を高めるためにトレーナーにメニューを考えてもらっても、トレーニングそのものを本人が頑張らなければ効果はでませんよね。
②カウンセリングルーム・カウンセラーを探す
夫婦でカウンセリングを受けることを決めたら、次にカウンセリングを受けるルームやカウンセラーを探してみましょう。
二人同時に受けた方がよいか、個別に受けた方がよいかもカウンセラーによって考え方はまちまちですので、あまり難しく考えずにまずは一度受けてみることをおすすめします。
なかには初回無料で提供するカウンセリングなどもありますので、そうしたサービスもうまく使いながら、どんなカウンセリング方法が自分たち夫婦に合っているか探っていくとよいでしょう。
なお個別のカウンセラー選びに関する詳細は、下記記事も参考にしてください。
③定期的に認識をすり合わせ、必要があればカウンセラーの変更も検討
カウンセリングルームやカウンセラーを決めて、実際に夫婦カウンセリングを始めたあとも、月に1度など定期的に最初と同じように認識をすり合わせることをおすすめします。
そしてその際に、お互いのカウンセリング内容や印象についても振り返っておきましょう。
カウンセラーによってはプログラムの中でこういった取り組みを勧めることもあるかもしれませんが、そもそもどちらかが「いざ始めてみたらやっぱりカウンセラーと相性が悪い」と感じていたりすると、解決できるものも解決できなくなってしまいます。
最初の気持ちに変わりはないかという点と、始めてみて何か変わった点はないかということを都度確認しておくことで、より夫婦カウンセリングが成功しやすくなりますよ。
不倫・暴力などの悩みは個別の専門家を頼るのもおすすめ
なお、浮気や不倫、暴力などが原因で、具体的に離婚や慰謝料の請求などといった内容まで相談したい場合には、そういった方面に強い弁護士を頼るなどしたほうが無難かもしれません。
というのも、カウンセラーやセラピストというのは基本的に話を聞くことが仕事であり、アドバイスすることは本来の仕事ではないためです。
話を聞き、その内容に対して「こんな考え方もある」「その考え方の根本にはこんな思いが隠れているのではないか」といった新たな視点を提供するのがカウンセリングですので、その後のことまで具体的な話をしたい場合には、カウンセリングではなく初めから専門家を頼った方がよいでしょう。
反対に、ひどいことをされた原因が知りたいであったり、頭では許したいと思っているのにどうもうまくいかない、といった心に関連する内容であれば、カウンセリングで解決することが可能です。
まとめ
今回は、夫婦カウンセリングを受けるメリットと、受ける際の具体的な手順について解説しました。
夫婦間の問題にお悩みの方は、お近くのカウンセリングルームで相談してみてはいかがでしょう。特に、子育てなど自分たちだけの問題ではない場合は、早めに相談することをおすすめします。
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